生成AIセミナーを通じ、小規模事業者にとってAIは日常業務の効率化と事業設計の参謀役。請求文面やSEOなどの実務をSaaSで短縮し、AIは丸投げせず共作で活用することが重要と伝え、クラウドとエッジの使い分けや地域での普及を学んだ。
- 小規模事業者の経理・問い合わせ・SEOなどの実務をSaaSで効率化する活用が中心
- AIは戦略設計の参謀・共作パートナーとして活用する考え方の重要性
- 誤解を解く必要性と、クラウドとエッジの使い分けを地域へ伝える意義
こんにちは、Room8オーナーの鶴田です!
実は少し前になりますが、9月4日に春日井の「かちがわ大学」で生成AIセミナーを担当させていただきました。
書くのが少し遅くなってしまいましたが、せっかくの機会だったので、ここでレポートとしてまとめておきたいと思います。
かちがわ大学は、地域の大人が学び合う“まちの大学”のような場で、マーケティングや地域課題など幅広いテーマを扱っています。そこに「AI」というテーマで呼んでいただけたのは、僕にとっても大きなチャレンジでした。
当日は、経営者の方から個人事業主、そして「AIって最近よく聞くけど何をしてくれるの?」という一般の方まで、幅広い層の方が参加。会場は満席で、みんな真剣な表情でスライドを見つめていました。
僕自身が日々の事業で感じているのは、AIは遠い未来の技術ではなく、すぐにでも“日常業務の効率化”に役立つツールだということ。今回のセミナーでも「小規模事業者にとって、AIはどう使えるのか?」を中心にお話ししました。

セミナー開催の概要
今回の生成AIセミナーは、かちがわ大学のプログラムの一環として開催されました。
日程は 2024年9月4日(水)、会場は 勝川駅近くの商業施設「ネクシティーパレッタ」内にある comeet。
Room8のすぐ隣のスペースでの開催ということもあり、僕自身にとっても身近で特別な時間になりました。
かちがわ大学は「まちの大学」というコンセプトのもと、地域で働く人・暮らす人が互いに学び合う場を提供しています。普段はマーケティングや地域課題、文化活動など幅広いテーマを扱っており、そこに今回は「生成AI」がテーマとして加わった形です。
参加者は、中小企業の経営者や個人事業主、これから起業を考えている方、さらには「AIって最近よく聞くけど、実際にはどんなことができるの?」という一般の方まで多様でした。
セミナーでは、以下のような流れで進行しました。
- 生成AIの基本的な仕組みの解説
- 小規模事業者が業務で使える具体例の紹介
- 質疑応答と参加者同士の意見交換
特に「AIで文章作成やSEO対策がどこまで効率化できるのか?」といった話題には多くの関心が集まり、参加者のメモを取る手が止まらない場面もありました。
この日を通じて、「生成AIは専門家だけのものではなく、地域の事業者でも身近に使える」という実感を持っていただけたと思います。
参加者の声と反応
セミナー後の参加者の反応は、実にさまざまでした。
まず多かったのは、純粋な驚きの声。
「こんなに簡単に文章が作れるんですね!」
「SEO対策の記事までAIで書けるとは思わなかった」
といった感想があり、生成AIが想像以上に“手元で使えるツール”だと実感していただけたようです。
一方で、抵抗感や不安を口にする方もいました。
「テレワークもあれだけ流行ったのに、結局元に戻ったじゃないですか。AIもそうなるのでは?」
という意見や、情報漏洩や依存への懸念も出されました。
また、その日の昼間に行われたスタートアップ交流会では、大企業のゲストが
「AI、AIと騒がれているけれど、これからはエッジコンピューティングが大切だ」
と発言していました。
僕自身は「これはAIを否定する話ではなく、クラウドとエッジをどう使い分けるかという話だな」と理解しました。
ただ、ITにあまり詳しくない人が聞くと「AIよりエッジが大事」というニュアンスに受け取ってしまうかもしれません。
ここで少し補足すると、エッジコンピューティングとは、クラウドにすべてを任せるのではなく、工場や車両、IoT機器など“現場(エッジ)”でデータ処理を行う仕組みのこと。
自動運転の例なら、危険を察知してブレーキを踏むまでにクラウド通信を待っていたら間に合いません。その場で処理できる=これがエッジの強みです。
そして大事なのは、AIはクラウドでもエッジでも動くということ。
「AI vs エッジ」という構図ではなく「クラウド vs エッジ」の比較が正しい。
だから「AIの揺り戻し」ではなく、役割分担が進んでいるだけなんですよね。
この誤解されやすいテーマを整理できたのも、セミナーを通して得られた大きな学びのひとつでした。
小規模事業者にとってのAI活用とは
今回のセミナーで僕が一番伝えたかったのは、大企業と小規模事業者ではAI活用の課題がまるで違うということです。
大企業は、自社の工場や機械の制御、膨大なデータの分析、サプライチェーン全体の最適化といった、規模の大きなテーマにAIを導入しています。そこではクラウドかエッジかといったインフラ選択が重要な課題になります。
一方、僕たちのような小規模事業者が直面するのは、もっと身近で日常的な課題です。
- 経理や請求書作成を効率化したい
- 顧客からの問い合わせに素早く対応したい
- ホームページやSNSの文章作成を楽にしたい
- SEO対策の記事をスピーディーに用意したい
こうした場面では、SaaSとして提供されている生成AIサービスをうまく活用するのが最も手っ取り早い方法です。
たとえば、請求書の文面をAIに下書きさせたり、ホームページのキャッチコピーをAIに提案させたり。これだけでも、これまで数時間かかっていた作業が数十分に短縮できることがあります。
つまり、僕たちにとってのAI活用とは「社会課題の解決」というスケールの大きな話ではなく、日常業務の小さな手間を減らすことにこそ価値があります。
そして、その積み重ねが事業のスピードや収益性を大きく左右していくのです。
AIは“参謀”として戦略を考えるパートナー
多くの人は「AIで文章を作る」「画像を作る」といった作業的な使い方をイメージします。
でも、僕にとってのAIの一番の価値はそこではありません。
AIは、Room8の事業戦略を一緒に考える“参謀”のような存在です。
たとえば、サイトリニューアルを進めるときに「SEOをどう整理すれば検索流入が増えるのか?」をAIにぶつけて議論する。
Stripeを使った課金フローを「もっとシンプルにできないか?」と相談する。
補助金申請の計画や、新しいサービス(AI LaboやWeb Labo)の企画を考えるときも、最初の叩き台をAIと一緒に作ってきました。
普通の人がAIに「キャッチコピーを作って」と聞いて終わるところを、僕は「そのキャッチコピーを使ったマーケティング戦略全体はどう設計すべきか?」まで聞く。
さらに「それを実際に実装するなら、どんなツールやコードが必要か?」と掘り下げる。
このやりとりを繰り返すことで、単なるアイデアが具体的な施策にまで落とし込まれていきます。
AIとの対話は、壁打ちや思考の整理にもなります。
「こう考えたけど、抜けてる点はない?」と問いかけると、人間だけでは気づかない盲点を指摘してくれる。
その結果、実際の実装で大きなトラブルを避けられることも多いです。
もちろん、最終判断をするのは僕自身です。
でも、ゼロから一人で考えるよりも、AIとディスカッションしながら進めることで発想が広がり、意思決定のスピードが格段に上がりました。
そして出てきたアイデアを一つずつ実装していくうちに、気づけばRoom8全体の仕組みが進化している。
AIは単なる効率化ツールではなく、事業を一緒に設計していく頭脳の一部。
これが、僕が感じている一番大きなAIの価値です。
AI導入に対する誤解と実際
AIに関する記事を読むと、必ずと言っていいほど出てくるのが
「AIに全部任せるな」「AIの答えを鵜呑みにするな」というフレーズです。
もちろんその通りなんですが、問題はその先です。
「じゃあどう使えばいいのか?」という肝心な部分が抜け落ちていることが多い。
結果として、「結局AIって役に立たないんでしょ」と思われてしまうんですよね。
僕自身が日々の業務で感じているのは、AIは丸投げではなく“共作”が前提だということ。
- 文章作成なら、AIにまず叩き台を出させて、自分の言葉で肉付けする
- 戦略を考えるなら、AIに複数の視点を出させて、そこから選び取る
- システム設計なら、AIに仕様をまとめさせて、実際の運用に合うか検証する
こうすれば「丸投げ」や「鵜呑み」にはならず、人間とAIの良いとこ取りができます。
セミナーでも強調しましたが、AIは人を置き換える存在ではなく、
一緒に考え、一緒に手を動かすパートナーです。
これを意識できるかどうかで、AI活用の成果は大きく変わります。
まとめ:AIは身近なところから始めよう
今回、かちがわ大学で生成AIセミナーを担当し、あらためて感じたのは
AIの捉え方は立場によって大きく違うということでした。
- 大企業はクラウドかエッジかといったインフラや社会課題の解決を語る。
- 一方で僕たち小規模事業者に必要なのは、経理・問い合わせ・SEO・企画づくりといった日常業務の効率化。
- そしてAIは「丸投げ禁止」ではなく「共作」することで本当の価値を発揮する。
セミナーの中でも「AIは万能ではないけれど、ここまで使える」という実感を持っていただけたのは大きな収穫でした。
少し時間が経ってからのレポートになってしまいましたが、この出来事はRoom8にとっても、春日井の地域にとっても大切な一歩。
AIは遠い未来の技術ではなく、僕たちの仕事を“今”支える身近なパートナーなんだと伝われば嬉しいです。
これからもRoom8では、AIを使った実践を積み重ね、その知見を地域に還元していきます。
