「何が売れますか?」より「誰に売るか?」が重要な理由|ギャズム理論で解説

概要

何が売れるかを先に問うのではなく誰に売るかを決定しギャズム理論の深溝を超えるには特定のニッチへ絞り込み理想の顧客像と居場所を具体化して刺さる伝え方と適切な手段で届けることが重要だ

  • 誰に売るかを最初に決める
  • アーリーアダプター止まりを超える橋渡しを狙う
  • 理想の顧客像と居場所を具体化して刺さるメッセージを作る
  • ニッチな市場へ適切なチャネルで届ける
  • イノベーター2.5%、アーリーアダプター13.5%、アーリーマジョリティ34%、レイトマジョリティ34%、ラガード16%
  • ChatGPTとiPhoneがギャズム突破の事例として挙げられる

こんにちは、Room8オーナーの鶴田です!

今日はちょっとマーケティングというかビジネスの話をしようかなと思うんです。事業をしてると必ず聞かれるあの質問について、僕なりの考えを話させてもらおうかと。

「何がいいですか?」「何が売れますかね?」

まあ、よく聞かれるんですよ。でもね、僕に言わせればそれって「今日の晩ご飯、何が美味しいですか?」って聞いてるのと同じなんです。いや、あなたの好みも予算も冷蔵庫の中身も知らないのに、どうやって答えろと(笑)

そこを意識するより、どこを狙うか?を意識した方がいいと思うんですよね。つまり「誰に売るか」の方がよっぽど重要だと。

なんで僕がこの話をしようと思ったか

Room8をやってて思うのは、スタートアップとか個人事業主の人って、みんな同じところでつまずくんですよ。商品やサービスは作れるんです。技術もある、アイデアもある。でも売れない。

で、相談を受けると「どんな商品作ればいいですか?」って聞いてくる。でも話を聞いてると、商品の問題じゃないんですよね。誰に売ろうとしてるかが見えてない。

例えば、AIツールを作ってる人がいるとします。「AI使ったこんなツール作ったんですけど、何か良いアイデアありませんか?」って。いや、そのツールを誰が欲しがってるかを先に考えようよ、と。

技術者の人って特にそうなんですけど、「良いものを作れば売れる」って思ってる人が多い。でも現実は違うじゃないですか。良いものなんて世の中にゴロゴロしてるし、埋もれてるプロダクトなんて山ほどある。

差別化って、商品の機能じゃなくて、どこを狙うかで決まることの方が多いんですよ。

実は「何が売れるか?」の正体はギャズム理論で説明できる

ギャズム理論って何?(5分で理解できる解説)

ここで一回、ギャズム理論っていうのを説明させてください。聞いたことあります?

簡単に言うと、新しい商品やサービスって、5つのグループの人に順番に広がっていくんです。

イノベーター(全体の2.5%): 新しいもの大好き、多少不完全でもとりあえず試したい人たち

アーリーアダプター(13.5%): 新しいものに敏感で、競合優位性を求める人たち

アーリーマジョリティ(34%): 「みんなが使ってるなら私も」って人たち

レイトマジョリティ(34%): かなり慎重、周りがほぼ全員使ってから動く人たち

ラガード(16%): 伝統重視、最後まで変化を拒む人たち

で、この理論の肝は、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に「ギャズム(深い溝)」があるってことなんです。

「何がいいですか?」=実はイノベーター〜アーリーアダプター商品を探してる

「何が売れますか?」って聞く人は、無意識にこのイノベーター〜アーリーアダプター向けの商品を探してるんですよね。「今から始めるなら何がいいか」「これから流行りそうなもの」って。

気持ちは分かります。誰だって先行者利益は欲しいし、レッドオーシャンは避けたい。

でもここで問題が3つあるんです。

アーリーアダプター止まりの商品は腐るほどある

一つ目の問題。イノベーター〜アーリーアダプター向けの商品アイデアなんて、実は山ほどあるんですよ。

NFT、メタバース、Web3、ブロックチェーン、最近だとAI関連。どれもアーリーアダプターまでは話題になった。でも大半がそこで止まってる。

なぜか?ギャズムを超えられないから。

アーリーアダプターまでは、「新しいから」という理由だけで飛びついてくれるんです。でもアーリーマジョリティは違う。彼らは「みんなが使ってるから安心」「明確な利益がある」「リスクが少ない」ことを求める。

全然違う生き物なんですよ。

本当の勝負はギャズム(深い溝)を超えられるかどうか

ChatGPTとかiPhoneがすごいのって、技術がすごいんじゃないんです。このギャズムをぶち抜いた戦略がすごい。

iPhoneだって、スマートフォン自体は既にあったじゃないですか。BlackBerryとかWindows Mobileとか。でもそれらはアーリーアダプター止まりだった。

AppleがやったのはUI/UXを徹底的に一般人向けに最適化したこと。「誰でも使える」を追求した。ターゲティング戦略が神懸かってたんです。

ChatGPTも同じ。GPT-3の時点で技術的には十分すごかった。でも一般人には使いにくかった。OpenAIがやったのは、会話型UIにして、誰でも自然言語で使えるようにしたこと。

つまり、商品アイデア自体よりも、ギャズムを超えるための「誰に、どうやって届けるか」の戦略の方がよっぽど重要なんです。

ギャズムを超える鍵は「誰に売るか」にある

アーリーマジョリティは全然違う生き物

ここが一番重要なんですけど、アーリーアダプターとアーリーマジョリティって、同じ商品を見ても全然違う判断基準で動くんです。

アーリーアダプターの判断基準:

  • 新しいかどうか
  • 競合優位性が取れるか
  • 先行者利益があるか
  • 多少のリスクは受け入れる

アーリーマジョリティの判断基準:

  • みんな使ってるか(社会的証明)
  • 安全で確実か
  • 明確な利益があるか
  • サポートがしっかりしてるか

だから、アーリーアダプター向けに作った商品をそのままアーリーマジョリティに売ろうとしても、刺さらないんです。

橋渡しするためのターゲット戦略

じゃあどうするか?

ギャズムを超えるには、アーリーマジョリティの中でも「特定のニッチ」を狙う必要があるんです。これを「ホールプロダクト戦略」って言ったりするんですけど。

例えば、SaaSツールを作ってるとします。アーリーアダプターには「新しいクラウドベースのツールです」で刺さる。でもアーリーマジョリティには刺さらない。

そこで「中小企業の経理部門向け」みたいに、めちゃくちゃ具体的なターゲットを設定する。で、その人たちの具体的な悩みを徹底的に解決する。

「請求書作成で月末に徹夜してる経理担当者向け」とか。そこまで絞る。

すると、そのニッチで「みんな使ってる」状態を作れる。それが突破口になって、徐々に他の領域にも広がっていく。

「誰に売るか」が明確じゃないとギャズムで死ぬ

逆に、ターゲットが曖昧だとギャズムで確実に死にます。

「すべてのビジネスパーソン向け」とか「誰でも使える」みたいなポジショニングだと、アーリーマジョリティには響かない。なぜなら「みんな」という集団が見えないから。

アーリーマジョリティは「自分と同じような人が使ってるかどうか」を重視するんです。だから「誰に売るか」を明確にしないと、社会的証明が働かない。

「何が売れるか」を考える前に、「誰が困ってるか」「その人たちはどこにいるか」「その人たちにどうやってメッセージを届けるか」を考える。これがギャズム突破の鍵なんです。

実際にターゲットを決める時の考え方

理想の顧客像を具体的に描く

じゃあ実際にどうやってターゲットを決めるか。

僕がおすすめしてるのは、まず「理想の顧客を一人、具体的に想像する」ことです。ペルソナ設定って言うやつですね。

でも、よくある間違いは、自分にとって都合の良い顧客像を作っちゃうこと。「お金をたくさん持ってて、新しいもの好きで、価格交渉もしてこない人」みたいな。

そうじゃなくて、リアルに「この人なら確実に困ってるはず」って人を想像する。

例えば:

  • 「毎月の売上集計で3日間徹夜してる、従業員30人の中小企業の経理部長、田中さん(45歳)」
  • 「子育てしながらフリーランスデザイナーやってて、クライアントとのやり取りに時間取られすぎてる佐藤さん(32歳)」

そこまで具体的に。年齢、性別、職業、年収、家族構成、悩み、普段使ってるツール、情報収集の方法。全部想像する。

その人たちがどこにいるかを考える

で、次に「その人たちはどこにいるか」を考える。

物理的な場所だけじゃなくて、どんなメディアを見てるか、どんなコミュニティにいるか、どんなイベントに参加するか。

田中さん(経理部長)なら、

  • 日経新聞読んでる
  • 経理関連のセミナーに参加する
  • LinkedInは見てるかもしれないけどTikTokは見てない
  • 同業他社の経理部長とのネットワークがある

佐藤さん(フリーランスデザイナー)なら、

  • Twitterで情報収集してる
  • デザイン系のオンラインコミュニティにいる
  • Noteやブログを読む
  • YouTubeでチュートリアル動画を見る

つまり、商品を作る前に、「誰が困ってるか」「その人はどこにいるか」「どうやって届けるか」まで考える。これが「誰に売るか」戦略の基本です。

マーケティング戦略も変わってくる

ターゲットが明確になると、マーケティング戦略も全然変わってきます。

田中さん(経理部長)向けなら:

  • 経理業界誌への広告
  • 経理セミナーでの事例発表
  • 税理士法人とのパートナーシップ
  • 「月末残業ゼロを実現した経理部長の事例」みたいなコンテンツ

佐藤さん(フリーランスデザイナー)向けなら:

  • Twitter広告
  • デザイン系インフルエンサーとのコラボ
  • 「時間単価2倍になったデザイナーの仕事術」みたいなコンテンツ
  • オンラインコミュニティでの口コミ戦略

同じ商品でも、ターゲットによってアプローチが180度変わるんです。

まとめ:結局、愛なんですよね

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長々と話してきましたけど、要は「誰に売るか」を先に決めろって話です。

「何が売れるか」を考えがちだけど、それだとギャズム理論で言うアーリーアダプター止まりで終わる可能性が高い。本当に大事なのは、ギャズムを超えてアーリーマジョリティに届けること。

そのためには:

  1. 具体的な一人を想像する – 年齢、職業、悩み、行動パターンまで
  2. その人がどこにいるかを把握する – 物理的な場所とデジタルな居場所
  3. その人たちだけに刺さるメッセージを作る – 万人受けじゃなくて、特定の人に刺さるように
  4. その人たちが集まる場所でマーケティングする – 適切なチャネル選択

結局これって、愛なんですよね。

「誰でもいいから買ってくれ」じゃなくて、「この人たちの悩みを本気で解決したい」っていう。その愛があるかどうかで、ギャズムを超えられるかが決まる気がします。

商品やサービスって、愛のない関係じゃ長続きしないじゃないですか。一時的に売れても、リピートしてもらえないし、口コミも広がらない。

でも「この人たちのために作りました」って言えるレベルまで相手を理解してれば、自然と愛のある商品になる。そういう商品は強いんですよ。

というわけで、「何が売れますか?」って聞く前に、まず「誰が困ってるか?」を考えてみてください。そっちの方がよっぽど建設的だし、ビジネスとして成功する確率も高いと思います。

何か質問があったら、Room8に遊びに来てくださいね。一緒にターゲティング戦略でも考えましょう。

ではでは!

よくある質問

なぜ「何が売れるか」より「誰に売るか」が重要なのか?

アーリーマジョリティへ届けるには、特定のニッチを狙い、彼らの具体的な悩みを徹底解決する戦略が必要。全方位訴求では社会的証明とリスク回避の要件を満たしにくく、普及が遅れやすい。

ギャズム理論とは何で、どう活用すべきか?

新商品はイノベーター→アーリーアダプター→アーリーマジョリティの順で広がる。鍵はアーリーマジョリティへ跨ぐ「ギャズム(深い溝)」を超える戦略。誰に売るかとどう届けるかを最重要テーマにする。

理想の顧客像を作る際のポイントは?

一人を徹底的に具体化する。年齢・職業・悩み・日常で使うツール・情報収集源などを盛り込み、どこにいるか(媒体・コミュニティ)も特定する。

ホールプロダクト戦略の具体例は?

特定のニッチに絞って悩みを徹底解決する。例として、田中さん(経理部長)向けには経理業界誌やセミナー、税理士法人との提携で月末残業ゼロ事例を訴求。佐藤さん(フリーランスデザイナー)向けにはTwitter広告やデザイン系インフルエンサー、オンラインコミュニティでの口コミを活用する。

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

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